迅速・正確な「メール監査」で損害を最小限に抑える
自社の従業員が、故意であるにしろ偶然にしろ、不当な取引制限となる「価格カルテル」や「入札談合」に関わっていたとしたら?
社内の監査部門で、その事実を迅速に察知できるような監査体制はすでに整っていますか。
このページでは、価格カルテルや入札談合の事実が発覚した場合に企業に発生する損失(課徴金)と課徴金の減免制度、また、損失額を最小限に抑えるためのメール監査の仕組みについて解説します。
商品の価格や販売数・生産量などを事業者同士が相互に連絡を取り合うことで取り決めてしまう行為は「カルテル」(不当な取引制限)として禁止されています。
また、公共工事や調達に関する入札において、入札に参加する事業者たちが事前に相談し、受注事業者や受注金額などを決めてしまう「入札談合」も不当な取引制限のひとつです。
このような不正行為が発覚した場合、「課徴金」という形で罰金が科せられることになります。
独占禁止法や金融商品取引法などに違反して不当な利益を得た法人や個人に対して、当局が賦課する負担金を「課徴金」といいます。これは不正を行った企業が不当に得た利益を没収するために行われます。
記憶に新しい大型の制裁をまとめました。価格カルテルなどの不正行為により、これほどの金額が課徴金として企業に科せられ得るという例です。
2011~2015 | 自動車電子部品16社合計(米国) | 1,900億円 |
2012 | テレビ/モニター用ブラウン管7社合計(EU) | 300億円 |
2014 | 自動車部品カルテル10社合計(中国) | 200億円 |
2014 | 海運カルテル4社合計(日本) | 227億円 |
課徴金には減免制度があります。
談合や価格カルテルに関わった企業でも、自主的に申告して調査に協力すれば、課徴金の免除や減額が受けられるというのが、「課徴金減免(リーニエンシー)制度」です。
違反企業でも初期段階で自らの不正を認める証拠を提出して捜査に協力することで、課徴金の減免(リーニエンシー)が認められます。
現行の課徴金減免(リーニエンシー)制度では、20日間以内に申告を行った、先着5社が制度の対象になります。
多額の罰金を支払うか否かの機先を制するためには、日頃から情報監査を行い、いち早く自社の問題を発見する必要があるのです。
企業の損失を最小限に抑えるためには、平時から電子メールの監査を実施して問題の芽を摘み、万が一違反があった場合でも課徴金減免(リーニエンシー)を意識して迅速に対応する体制を整えておくことが求められます。
メールアーカイブシステムを活用することで、メール監査を効率的に行うことができます。
アーカイブソリューション WISE Audit は、平時のメール監査の他、さまざまなシーンで活躍します。
さらに最近、独占禁止法の見直しを検討してきた公正取引委員会の「独占禁止法研究会」が、減免制度に「裁量型」の導入などを盛り込んだ報告書をまとめました。公正取引委員会はこれを基に改正法案を作成、早ければ来年の通常国会に提出します。
この改正では、減免制度を適用する企業数の上限(5社)の撤廃や、申請期限(公取委の調査開始後20営業日まで)の延長を提言したほか、減額率は、申請順に加えて企業側が提出する「証拠の価値」を公取委が判断した上で決定する(裁量制)というものです。
同時に、証拠となる電子メールの削除など、証拠の隠蔽などを行った場合には課徴金のペナルティの加算も検討するとされています。
●申請者事業者数5社、申請期限の撤廃
●証拠の価値等に応じて、課徴金減算率を決定
●調査協力義務の導入
●一方、証拠メールなどを削除した場合は課徴金ペナルティの加算
※「独占禁止法研究会報告書の概要」(平成29年4月 公正取引委員会)を元に作成
参考:
公正取引委員会 (平成29年4月25日)独占禁止法研究会報告書についてのページ
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h29/apr/170425_1.html
独占禁止法研究会報告書の概要(平成29年4月 公正取引委員会)[PDF]
クリックして170425_1besshi2-1.pdfにアクセス
価格カルテルなど、自社の問題に迅速に気づいて課徴金減免(リーニエンシー)のために動ける体制を作るには、メール監査システムは必要不可欠です。 電子メールのデータは企業活動に関わる公式な文書として扱われるため、証拠として扱われます。企業コミュニケーションの主要な手段である電子メールをアーカイブし、それを監査することで内部不正などの問題を発見することができるのです。
課徴金減免(リーニエンシー)制度の適用のためには、証拠となるメール情報を素早く検索し、抽出することが求められるため、
メール監査ツールは使いやすく動作が高速で、対象のメールが見つかりやすいものを導入しておく必要があります。